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日曜芸術家 アーチストオンサンデー |
| パーカッショニストたちの協奏曲 物心ついて最初に手にした楽器は、確かおもちゃのタンバリンだった。 たたくだけで音が出るのがうれしくて、ずっと持ち歩いていたことを覚えている。 パーカッションアンサンブル「ポットベリー」は、 そんな楽しい記憶を呼び覚ましてくれる打楽器だけの楽団だ。 |
定期演奏会で。後列左にはトムトム、ボンゴ、コンガといったラテン系の打楽器が並ぶ。 |
| photo by TAKEI HIDENORI |
| パーカッションサウンドを聴く |
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| 打楽器が主役になれるアンサンブル 楽団といってもプロではない。会社員や大学助手、現役の大学生などが集まったアマチュア集団である。打楽器のアンサンブルというだけでも結構珍しいのに、アマチュアとはさらに珍しい。 「結成されたのは、今から16年前ですね。九州交響楽団の永野哲さんの呼びかけで、九大フィルハーモニーオーケストラの打楽器のセクションのメンバーとOBが集まったんです。それから九大フィル関係者以外にも広がって、今ではいろんな職業のメンバーが18人います」 そう語るのは、結成当初からのメンバーで、楽団のリーダーでもある野副卓彦さんだ。昼間は中央区の企業に勤務しているサラリーマン。奥さんもアンサンブルに所属していて、週末や休日は打楽器漬けの私生活を送っている。 ところで、打楽器といえばすぐに思い浮かぶのが、オーケストラお馴染みのティンパニーやシンバルなど。決して出番は多くはないが、聴衆に強烈なインパクトを与える存在である。 「そこなんですよ。オーケストラでは打楽器が旋律で奏でる機会があまりない。だから打楽器奏者はメロディに対する憧れがすごく強いんです。それが打楽器だけのアンサンブルだとメロディをやれますから快感なんです」 |
| 練習場があってこそのアマ集団 ポットベリーの練習場となっている、福岡市音楽・演劇練習場『パピオビールーム』を訪ねてみた。なるほど、みんな水を得た魚といった感じ。バスドラムを叩いているメンバーなどは、まりのように弾んでいる。OLをやっているというメンバーを呼び止めて聞いた。 「演奏会の前になると毎日練習があるんです。仕事で疲れたから行きたくないなって思う日もあるけど、いざ練習を始めるともうノリノリ(笑)。すっごい楽しくて夢中になる」 彼女が言うには、もともと打楽器奏者には自己顕示欲の強い人が多いとか。だから集団になると、触発されあって大爆発するらしい。 ただ、アマチュアゆえの苦労も多い。最も大きいのは練習場の確保である。打楽器は他の楽器と違って音が格段に大きいし振動も起きる。防音設備のない場所での練習は、まず難しい。しかも、楽器自体が大きく運搬や保管が困難だ。大きなマリンバやビブラフォンは分解して運べるが、それでもいちいち練習のたびに運搬するのは大変な労を要する。 「ぼくらはこのビールームができたときから練習場にしていますが、ここがなかったら多分続いていなかったんじゃないでしょうか。防音設備はしっかりしているし楽器を保管する大きな楽器庫もある。使い勝手がいいから、よけいな心配をせずに練習に打ち込めます」 |
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| アマチュアであることの意味と意義 ポットベリーは、年に1回の定期演奏会を開催している。今年で16回を数える。 「最初は演奏会を開けるだけで満足だったのですが、回を重ねるうちにもっといい演奏をしたい、もっとお客さんを喜ばせたいと欲が出てきましてね。いろいろ演出にも凝るようになりました。今年はちょっとしたジェスチャーなんかも取り入れたりして工夫しています。楽しみにしていてくださいね」 野副リーダーの言葉に違わず、1月24日、ももちパレスで行われた演奏会はすこぶる愉快なものだった。 「ブラボー」の声があがったのは、野副リーダーら結成当時からのベテラン組が演奏した一幕だ。マリンバとビブラフォンをフューチャーした、打楽器には珍しいフォービートのジャズに聴衆は大感激。小学生くらいの子どもまでもが手をたたいていた。打楽器の楽しさを、あの子はきっと感覚として知っているのだろう。 「打楽器は誰が叩いても音が出る。そこに魅力でもあり、難しいところでもある。誰にでも始められるが、入り込むと底知れないほど奥が深い。ぼくらアマチュアが長く続いているのも、そのへんに秘密があるのかもしれません」 ポットベリーでは、最近地元の小学校の音楽教室などでの指導も行っている。「子どもたちのダイレクトな反応はうれしくもあり、恐くもある」とメンバーは言う。プロとかアマとかの色眼鏡を持たない子どもたちにこそ、音楽の本当の楽しさはわかるのかもしれない。 |
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