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| ■チベットの軸装仏画「タンカ」 |
| タンカ(Thangka)とは、チベット仏教に用いられる軸装仏画の総称。原色を多用した色使いや独特の意匠は、日本で接する仏教美術とはかなり異質な印象を与える。世界の屋根といわれる高地チベットで育まれた仏教文化は、日本と同じく、ほぼ1400年ほどの歴史を有し、複雑多岐な展開を経ながら育まれてきた。ルーツをともにする仏教美術のタンカには、共通点を発見するよりは、異質な印象をいだきがちだが、アジアに広がる美術の豊かさや多様性のあかしであり、アジアの文化に対する新しい視点が広がることにつながっていく。 |
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| ■タンカの起源 |
| タンカの起源は、インドの布製仏画(パタ)が、シルクロードあるいはパキスタン経由で、チベットに伝えられたと考えられる。チベット仏教の伝播にともない、タンカは中国、ネパール、ブータンなどでも製作されるようになった。インドでは、伝統的な仏教が滅んでしまったのでパタは一例も残されていないが、ネパールに残存するネパール仏教の軸装仏画は、かつてインドに存在したパタの唯一の生き残りである。現在では、ネパールのパタもタンカと総称されるようになっている。 |
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| ■チベット美術の全貌に迫る展覧会 |
日本や欧米では、近年までチベットに関する情報がきわめて少なかったが、最近、映画やテレビを通じて、チベットについて知る機会が増えた。1997年の「セブンイヤーズ・イン・チベット」では、人気男優ブラッド・ピットの主演も相まって、大評判となった。
今回の展覧会は、このチベット仏教美術で最も重要なジャンルであるタンカに焦点をあて、軸装仏画79点のほかにの仏像や仏塔や「チベット死者の書」をはじめとする装飾写本なども展示される。
展示作品は、韓国ハンビッツ文化財団のチベット仏教美術のコレクションの中から厳選したもので、日本で公開されるのは、初めてである。ハンビッツ文化財団所蔵のチベット仏教美術は、総点数が900点を超え、とくにタンカでは他の追随を許さない圧倒的な量を誇っている。そのコレクションの中から、時代、地域、作品ジャンルのバランスを考慮しながら厳選された90点ほどの作品によって、複雑な展開をとげたチベット美術の全貌が、今回の展示のみで一望できることを目指している。 |
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チベット死者の書
欧米に紹介され、ブームを巻き起こした『シト・ゴンパランドゥル』の写本 |
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