財団機関誌 季刊 wa
[特集]ふくおか交響曲

われらアマチュア・オーケストラ

■アマチュア演奏会、花盛り
 今年も、アマチュア音楽家の定期演奏会が頻繁に開催される。“福岡市民オーケストラ”の定期演奏会をはじめ、“福岡コール・フェライン”の記念演奏会、“福岡OBフィルハーモニー・オーケストラ”や“九大フィル”の定期演奏会など、その多くはプロの音楽家との共演という。裾野の広さばかりではなく、高い技術に裏打ちされた質の高い演奏会が行われるようだ。
 昭和47年に設立された福岡市民オーケストラは社会人を中心に学生、主婦等で構成され、現在100名近くの大所帯を擁するオーケストラへと発展し、名実ともに福岡を代表するアマチュアオーケストラとして、自主的に行う演奏会は年2回以上、定期演奏会の他にこの数年では、中国から著名な作曲家を呼んでの「中国の伝統と現代音楽の夕べ」や、全日本アマチュアオーケストラ連盟主催の全国大会での特別演奏会のほか、オペラ「蝶々夫人」をアクロス福岡で開催するなど特色あるコンサート活動を展開している。
 福岡市民オーケストラに続いて結成された社会人オーケストラのひとつに、福岡OBフィルが挙げられる。福岡OBフィルは、九大フィルハーモニー・オーケストラ(明治42年創立)の創立70周年を記念し、「九大フィルOBオーケストラ」の名称で昭和53年7月に結成されたが、昭和58年には出身校にはこだわらない一般社会人オーケストラであることを明確にするために、名称を「福岡OBフィルハーモニー・オーケストラ」に改称した。福岡でも歴史あるアマチュア合唱団、“福岡コール・フェライン”の指揮者として知られる荒谷俊治氏が創立以来、音楽監督を務め、毎年、夏に定期演奏会、新春にファミリーコンサートと精力的に活動を続けている。
 福岡OBフィルの創立メンバーを輩出した九大フィルハーモニー・オーケストラは、国内でも最も歴史あるオーケストラのひとつだ。九大フィルの記録によると、1909年頃に「フィルハーモニー会」が結成されたという。明治44年には、九州帝国大学が設置され、翌年、九大フィルハーモニー会として第1回音楽演奏会が開催された。
 
■新しい『音楽王国』へ
 長年福岡のアマチュア音楽家の指導を続けている荒谷俊治氏に 、“福岡コール・フェライン”の最近の活動についてたずねた。
 「手前味噌になってしまいますが、福岡コール・フェラインが5月27日にアクロス福岡シンフォニーホールで行うモーツァルト『レクイエム』にぜひ注目していただきたいと思います」
 この『レクイエム』は、“福岡コール・フェライン”2001年第15回記念演奏会として企画され、合唱はアマチュアの“福岡コール・フェライン”(約90名)と九大混声合唱団(約30名)の合唱120名に、ソリストに菅英三子、吉田浩之、末吉利行という現在日本におけるトップメンバーをそろえ、オーケストラに九州交響楽団を配した強力な布陣だ。荒谷氏は次のように、その目的や思いを語る。
 「演奏会のご案内のパンフレットにも自ら書きましたが、20世紀、福岡の音楽界に尽力された石丸寛さん、米倉美枝さん、森脇憲三さん、安永武一郎さん、福永陽一郎さん、藤井凡大さんに捧げる演奏会なんです。私自身がお世話になった師や諸先輩に心からお礼を言いたい気持ちから計画したものです。
 さらに、かつて『合唱王国』といわれた福岡の全盛期の合唱界をリードされた諸先輩、また将来再び福岡の音楽界が『音楽王国』といわれる時代が来るように祈りをこめて、後輩に檄を飛ばす意味を含めた演奏会です」。
 
■アマチュアオーケストラの魅力
 宗像市に住む恩師や友人の音楽家とともに市民オーケストラ「宗像フィルハーモニック管弦楽団」を組織した小山田真徳氏(元九響指揮者、現、精華女子短期大学助教授)に、アマチュアオーケストラの魅力を尋ねた。
 「僕は、音楽とじっくり向きあって練習を積み重ね、その成果を聴衆のみなさんに聞いてもらいたいんです。そういう意味では、宗像フィルハーモニック管弦楽団は、まさに手塩にかけて育てたオーケストラなんです」
 そして、アマチュアの指導を続けてきた視点で、彼らの魅力を語ると、「音楽がとにかく好き」ということらしい。「彼らは、死ぬまで音楽を好きで居続けられるでしょう。音楽に対する思いは、ひょっとしたら僕よりも強いかもしれません」と笑いながら、小山田氏は語る。
 アマチュアオーケストラは、プロとアマチュアの共同作業。アマチュア音楽家の音楽への愛情とプロの音楽家の熱い思いが交わりあい、新しい『音楽王国』への道を歩んでいるのかもしれない。
 
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