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儀式用壁掛
142.0×69.0cm
(ランプン州)
刺繍/毛織物、刺繍糸、
撚金糸、雲母片
(福岡市美術館所蔵) |
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豪華な手刺繍が施された壁掛は、重要な人物あるいは結婚式を挙げるカップルの後ろに掛けられた。この織物の中には、スマトラに浸透したさまざまな他国の文化が見事に花開いている。
天に向かい幹を伸ばす“生命の樹”は、インドネシア初期の貿易で重要な役割を果たしたインドの染織に由来する。縁飾りは、あきらかに中東が起源。また脆弱(ぜいじゃく)な撚金糸を布の表面に置き、止め付ける方法は、中国を起源とする。刺繍などに使われている絹糸もまた初期の貿易で中国からもたらされた。毛織物自体がヨーロッパ起源であり、おそらくイギリスからもたらされたのだろう。
いくつかのモティーフと雲母片による装飾を縁取る糸は、堅い芯に青の絹糸を巻き付けコーチングの技法を施したもので、非常に手が込んでいる。刺繍や雲母片の装飾が施された織物は、スマトラ島でもとくにランプン州に見られる特色の一つだ。“霊船布”と呼ばれ、祖先の魂を乗せて天上へ上る船をデザイン化した織物もランプン州に特徴的なもので、結婚式や通過儀礼に使われる儀式用の壁掛である。
このように、スマトラの染織は伝統的に人生の節目の儀式において使用されてきた。これらの儀式で、染織は衣装の一部として腰布や肩掛け、ベールなどに使われ、また壁掛として地域ごとに、あるいは部族ごとに飾り付けがなされる。ランプン州の族長の就任式では、巨大な霊船布が主要な列席者のそばに掲げられる。
伝統の染織は、地域によっては消え去ろうとしている。継承されている地域でも、かつてほどのクオリティはないのが現状だ。ランプン州においても例外ではない。ランプンの芸術性と哲学が顕著に発揮されたこの2点は、いずれも100年ほど前の製作と思われる。
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儀式用壁掛(霊船布) 103.0×39.0cm
(ランプン州南ランプン)
緯紋織/木綿(手紡ぎ)、絹、撚銀糸、天然染料
(福岡市美術館所蔵) |
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