「私のワークショップでは誰もがダンサーになれます。是非舞台に上がって参加して下さい。」
アダム・ベンジャミンさんは、ダンス公演に先だって、デモンストレーションへの参加者を募る。このデモンストレーションの目的は、「それぞれに違う個性の人々がどうやってダンスをつくりあげていくのかを体験してもらうこと」だとアダムさんは説明する。
客席から、20数名が舞台に上がった。シンプルな動作を始めましょう、とアダムさんは指示していく。例えば、スタートの合図とともに舞台を動き回り、誰かが止まったのをみたら自分自身も止まり、誰かが動き始めたらふたたび歩きだす動作や、ペアを組んで手を握り、互いになんらかの絆を感じあえたらゆっくり手を離す動作など。そんな繰り返しの動きをしばらく続けていくうちに、動きがこなれてきて、少しずつ調和が生まれてきたように見える。
アダムさんの解説によると、ダンスの経験のない人が多くても、短い時間で、すばらしい調和が生まれてくるのだという。
「先日、障害者の子どもたちといっしょにワークショップを開催しました。ほとんどダンスの経験のない人たちばかり。しかし、しばらく一緒にやってみると、お互いにどう動いたらわからないという困惑がきえ、美しいダンスが生まれたのです。」
こうしたダンス・デモンストレーションは、いわば国、人種、文化、あるいは身体的な条件などを越えたあいさつの方法だと語る。
アダムさんのワークショップの特徴は、一般的なダンス修得に必要な「他の人が動いているのをまねて身体を動かしていくという方法」を捨てることからスタートしている。最も大切にしているのは、お互いに身体の声に耳を傾けるということだ。身体的な条件が違っていても、お互いの身体の声を聞くことはできる。その人がどんなリズムをもっているか発見し、それぞれ独特のユニークなリズムを持っていることに気づくことが大切なのだという。
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アダム・ベンジャミン (イギリス),
1991年、カンドゥーコ・ダンス・カンパニーを創設。芸術監督を努める。初演以来、身体障害を持つダンサーの身体性を生かしたダンス・パフォーマンスは世界各国で絶賛される。現在は舞踊教育家としてプロのダンサーだけでなく、コミュニティにおけるさまざまな人達とのダンス・ワークショップ、公演を世界各国で行っている |
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