事業レポート

2023年3月15日

アートを介した対話プログラム 対話型鑑賞ワークショップ~医療・福祉分野で働く方対象~

2022年11月20日、福岡市アジア美術館において、「アートを介した対話プログラム 対話型鑑賞ワークショップ~医療・福祉分野で働く方対象~」を開催しました。

 

昨年度「アートを介した対話プログラム」と題して実施した、映画『白い鳥』上映会と3つの鑑賞プログラムでは、「複数人でアートを観る」ことで新たに起きる、作品と、そしてその場にいる人々とのコミュニケーションを体験していただきました。

令和3年度「アートを介した対話プログラム」事業レポート

 

今年度は、コミュニケーションにアートが介入することの広がりを、医療・福祉分野の方々と考える場として、「対話型鑑賞ワークショップ」を実施。

 

 

京都芸術大学 アート・コミュニケーション研究センターの伊達隆洋さんを講師に迎え、「みる・考える・話す・聴く」体験を重ねました。

 

対話型鑑賞の基本レクチャーからがじまり、絵画作品、漫画、写真等あらゆる対象を複数人で対話しながら鑑賞するワークを行いました。

 

 

 


唯一の正解がないアート作品について多様な意見が飛交い、複数人で作品を観て、考えて、共有しながら「集合知」を探す作業などを通して、参加者それぞれ、ご自身の「ものの見方」に立ち返る場となったようです。

 

以下、アンケートの一部をご紹介します。

 

・相手の価値観、自分の理解等、対人支援で活用できる。見ているようで見ていないことがわかった。振り返りで意見が変わっておもしろかった。絵をみるのは、その絵をみるというよりも、自分の価値観に絵を通して気づくことがあると思った。

 

・目からうろこ。普段の関わりをつきつめていけば、アートにつながることが分かった。

 

・鑑賞するとアセスメントを行うに共通する点が多くあった点には驚きが多かったです。みる→かんがえる→はなす→きくのプロセスを大切にケアへのむすびつけを考えていきたいと思いました。

 

・医療福祉関係者を対象とした対話型鑑賞ということで、伊達先生が所々で対話型鑑賞をどのようにケアで応用するかや、他者との合意形成に至るプロセスの重要性を学ぶことができたのは、とても良かったです。今回は、美術館での開催ということで、実際にギャラリーで作品(写真)を使った対話型鑑賞は、とても刺激的でした。作品の持つなんとも言えない雰囲気、オーラみたいなものも伝わってきて面白かったです。

 

・客観的だと思っていることでさえ、実際はいかに主観的で個人的、身体的な影響を受けているものなのかと驚いた。自分では感じられないことや、言葉にできないことが、他の人の考えを聞きながら、気付きや共感・違和感を繰り返す中で、徐々に作品の奥深さが見えてきたり、人に伝えるための言葉が浮かんでくるプロセスがとても楽しかった。美術館には、一人で無言で鑑賞するのが当たり前だったが、いろんな人と行って、話しながら鑑賞してみたくなった。

 

関連リンク

「対話型鑑賞ワークショップ~医療・福祉分野で働く方対象~」詳細ページ

ACOP(Art Communication Project)


■開催日時    2022年11月20日(日)10:00~17:00
■会場      福岡アジア美術館
■主催等    【主催】(公財)福岡市文化芸術振興財団、福岡市
      【共催】福岡アジア美術館
      【後援】(社福)福岡県社会福祉協議会、(社福)福岡市社会福祉協議会