事業レポート

2023年度博多旧市街にぎわい創出事業(アートカフェ事業)レポート

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あじび@アートカフェ ミニコンサート
モンゴル高原から生まれた二弦の楽器~アジアの響き~

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福岡アジア美術館にあるオープンスペース「アートカフェ」で6月4日(日)、ミニコンサート「モンゴル高原から生まれた二弦の楽器~アジアの響き~」を開催し、たくさんの方にご来場いただきました!

 会場では、モンゴルの馬頭琴や韓国のヘグムなどの音色が披露されました。これらの楽器は、4 世紀頃モンゴル高原で生活していた奚(けい)民族により作り出された二弦の楽器「奚琴(けいきん)」から発展してできたのだそうです。

馬頭琴を奏でるドランさんと、低音馬頭琴を奏でる中村通さんは、それぞれモンゴルの民族衣装に身を包んで登場。2人で馬頭琴の名曲として知られる『万馬の轟』を演奏したり、ドランさんがソロでモンゴルの伝統曲である『ジュスレー』を奏でたりして、はかなげで繊細な音色を響き渡らせました♪

 

韓国のヘグムを操るキム・ジュンヒさんと、クラシックギターで伴奏するペ・ジャンフムさんの演奏も見事でした。キムさんは韓国の伝統曲である『サンジョ』を演奏し、ヘグムの音色で会場を魅了。2人のデュオでは、映画『タンゴ・バー』の挿入曲である『ポル・ウナ・カベサ』を披露し、ヘグムのメロディラインに絡むギターの切なげな音色で聴衆を惹きつけていました!

ラストは出演者全員が揃い、映画『甘い人生』の圧巻の演奏で来場者を魅了し、さらにアンコールに応えて『八月のクリスマス』のテーマ曲を披露。4つの弦楽器の音色が重なり包むスペシャルな音色に、会場に集まったたくさんの方もうっとりとした表情で耳を傾けていました。

 

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特別展 「世界水泳選手権2023福岡大会記念展 水のアジア」
関連企画「アートカフェプレミアム」レポート
インドネシアの伝統竹楽器の音色が会場に♪

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7月30日(日)まで開催された「世界水泳選手権2023福岡大会」で、トップスイマーによる熱戦が繰り広げられる中、同大会を記念した特別展 「世界水泳選手権2023福岡大会記念展 水のアジア」が9月3日 (日)まで、福岡アジア美術館で開催されました!

同展を盛り上げようと、7月22日(土)・23日(日)には、財団主催の「アートカフェプレミアム」第1弾として、展示作品と音楽のコラボレーションイベントを実施。インドネシア作家ムルヤナ氏が手掛けた《海の記憶》(2018年)という作品の周りで、インドネシアの伝統竹楽器であるアンクルンが演奏されました♪

  

演奏したのは、在日インドネシア留学生協会 福岡支部(PPIF)と、NPO法人トゥマンハティふくおか「アンクルンるん♪」の皆さん。伝統衣装に身を包み、楽器を揺らして竹のカタカタという音を響かせながら、穏やかな音色で作品とその空間を優しく包んでいました。どこかぬくもりのある竹の音色に、美術館を訪れていた人たちもうっとり。足を止めて聴き入っていました!

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特別展 「世界水泳選手権2023福岡大会記念展 水のアジア」
関連企画「アートカフェプレミアム」レポート
“水”をテーマに、日本画と筑前琵琶がコラボ♪

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8月も福岡アジア美術館の特別展「世界水泳選手権2023福岡大会記念展 水のアジア」に関連して、当財団は11日(金・祝)、アートカフェプレミアム「筑前琵琶と水の音-MIZUNONE- 演奏&トーク」を開催!日本画家・比佐水音さんが描いた繊細な色合いの作品と、筑前琵琶奏者・尾方蝶嘉さんが紡ぐ静謐な音色に、来場者約100人が引き込まれました。

『いきてはいたる』など、比佐さんが「水のアジア」展に出品している作品3点から、尾方さんがインスピレーションを受けて創作した筑前琵琶曲『いのちは響き いきてはいたる』を初上演。幽玄な弦の音を響かせ、水滴がぽつんと落ちて波紋となり、やがて川の流れになっていく情景を聴衆に思い起させていました。

海に沈む夕日の写真をバックに演奏する尾方さん

また、“水”にちなみ、源平合戦を描いた『平家物語』から、海辺で繰り広げられた物語の琵琶曲『屋島の誉れ』を披露。那須与一が扇の的を射る名場面を、美しく、時にはドラマチックな音色と迫力ある語りで表現し、聴き手の想像力を揺り動かしていました。

演奏後のミニトークでは、「さやさやとしたきれいな水が頭の中を流れるイメージ」で創作したという尾方さんの音色に対し、比佐さんが「ずっと聴いていたいと思える曲。(『いのちは響き いきてはいたる』は)まさに今回の展覧会出品作の3作品を想起させるような3部構成になっていて、最後は思いが昇華していくようでした。」と、感想を伝えました。

「琵琶の起源は中東。インドや中国を経て、日本へ伝わって独自の発展を遂げた。」(尾方さん)、「日本画の材料もアジアから伝わってきたもので、日本にだけ伝統的にあったものでもない。」(比佐さん)と、それぞれの創作を支える素地についてもトークを展開。さらに創作の源や、表現する上での哲学にも話が及び、「伝わってきた技術的な部分は、基礎としてある。」「その上での自分なりの表現をどう続けるか。」などを語り合っていました。

会場から「筑前琵琶曲『いのちは響き いきてはいたる』は、今回だけの披露ではもったいない。今後また聴ける機会はあるか。」という質問が飛び出すほど、熱気が高まったイベントとなりました。

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第60回福岡市民芸術祭プレミアムライブ
『黄昏に奏でるアート』開催しました!

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福岡市民芸術祭の60回目開催を記念して、プレミアムライブ 『黄昏に奏でるアート』を9月16日(土)に開催しました。ジャズにアコーディオン、古楽の奏者たちが奏でる癒やしの音色に、約250人がうっとりと耳を傾けました♪

 トップバッターは、九州大学軽音楽部ジャズ研究会「Rhythm Society」。柔らかく深い、こなれたジャズのリズムで、『It Don't Mean A Thing』など全5曲を披露しました。

アコーディオンの音色で深い余韻を残したのが、アコーディオン奏者・新井武人さんが中心となり結成した「Rue de Valse(ルードバルス)」。『情熱Tiger』など6曲を披露し、時折客席に手拍子を呼び掛けながら会場を盛り上げました。

大分にあるカテリーナ古楽器研究所で中世やルネッサンス期の楽器を作り、演奏し、歌う「baobab(バオバブ)」も登場。奥深い古楽器のサウンドと、柔らかく深みのあるボーカルが印象的なユニットで、『fall』などオリジナルソングのほか、童謡『もみじ』を含む全7曲で客席を魅了していました♪

ラストは、Rue de Valseとbaobabのセッションもあり、熱を帯びた客席からはアンコールの声も!あっという間に感じられた2時間にわたるライブは、盛況のうちに幕を閉じました!

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『コンドルズが躍動する!FaN Fun Prologue "Dance&Talk"』開催しました!
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第60回福岡市民芸術祭の記念事業として、ダンス創作のワークショップを開催中のコンテンポラリー・ダンス集団「コンドルズ」のメンバーが、9月17日(日)、福岡アジア美術館に登場!トークイベント「コンドルズが躍動する!FaN Fun Prologue"Dance&Talk"」を開催しました♪

さすがはコンドルズさん、予定調和のない中から始まったのは、なんとメンバー3人による鼻笛演奏!

その後も、福岡や、約20年前となる財団主催のイベント参加にまつわる思い出も語りながら、会場の笑いも誘っていました。

さらには、石渕聡さん伴奏による黒須育海さんの即興ダンス、そして近藤良平さんが客席を巻き込んで盛り上がった身体表現も。来場者も一緒に楽しんだ1時間でした!

  

 

 

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アジ美にケッチさんがやって来た♪
言葉は不要、笑いと驚きにあふれたイベントをレポ-ト

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 9月からアジア美術館で開催された「福岡アジア美術館ベストコレクション」に関連して、当財団は10月15日(日)、フィジカルコメディパフォーマンスで人気のケッチさん(元が~まるちょばの赤モヒカン)を招いてイベントを開催しました!

 ケッチさんは、かばんが空中に止まったように見せたり、ほうきに振り回されてみたりと、次々にコミカルなパントマイムを披露。立ち見客も含め会場に集まった約150人の観客からは、笑い声や歓声がこぼれていました。

 

  

時には観客をステージに引っ張り出し、ボールを消して観客のポケットから出してみたりと、会場を驚かせるマジックも。ステージ上ではほとんど言葉を使わず、体の動きだけでいろいろなものを表現し、笑いと驚きにあふれるステージを見せてくれたケッチさん。それはイベントタイトル通り、まさに「世界39ヶ国を熱狂させた言葉を使わないコメディパフォーマンス!!」でした。

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コンドルズと創る!踊る!魅せる!FaN Fun Epilogue+ゴスペルライブ 開催レポート♪

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福岡市民芸術祭記念事業の完結編として、「コンドルズと創る!踊る!魅せる!FaN Fun Epilogue+ゴスペルライブ」を12月23日(土)、福岡アジア美術館8Fのあじびホールで開催。たくさんの方に足を運んでいただき、盛況のうちに記念事業が幕を下ろしました。

 会場では、福岡市民芸術祭記念事業「コンドルズと創る!踊る!魅せる!FaN Funプロジェクト」の映像作品も上映。コンドルズとワークショップ参加者で創り上げたダンス作品は、公式YouTubeにて同日より公開しました。

 ゴスペルライブは、福岡音楽都市協議会とのコラボ企画。同協議会の理事を務める寒竹麻衣子さん率いるコーラスグループ「TEAM SURPRISE」が、『Silent night(きよしこの夜)』などのクリスマスソングをはじめ、映画「天使にラブソングを」シリーズの劇中歌『Joyful, Joyful』など、ゴスペルアレンジの利いたソウルフルな曲目を次々と披露し、会場を圧倒していました!

グループのオリジナルソング『ヒカリ』を歌い上げたところで、この日のために全3回のワークショップで歌声を磨いてきたコーラス隊の24人が入場。芸術祭記念事業のダンス創作にも使った楽曲『Beat goes on』を、「TEAM SURPRISE」と一緒に歌い、重厚感のあるパフォーマンスを披露しました。

 アンコールに応えての『WAになっておどろう』では、全員で踊ったり手振りをしたりして、会場の一体感がピークに!外は寒いのに、会場は激アツなX’masイベントとなりました♪

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【世界遺産 大シルクロード展】関連企画

「古楽器で辿るシルクロード」開催レポート

約330人もの方がご来場♪
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 福岡アジア美術館で3月24日まで開催された特別展「世界遺産 大シルクロード展」に関連して、当財団は1月21日、ミニライブ「古楽器で辿るシルクロード」 を開催しました。

 シルクロードが東洋と西洋を結んだ交易路だった歴史にちなみ、中世ヨーロッパで使われていた古楽器の復元・製作を手掛ける「カテリーナ古楽器研究所」の4人がゲストとして登場。普段はなかなか聞けない、やわらかくも力強い音色に、来場した約330人もの方々が聞き入っていました。

 曲間では、ギターの原型ともいわれる「シトール」やヴァイオリンの先祖ともいわれるしゃもじ形の「レベック」、台形の箱に多数の弦が張り巡らされた琴のような「カヌーン」など、多種多様な楽器を紹介。曲に合わせて楽器を替え、時にはMaikaさんの癒しのウィスパーボイスによる歌声も交えながら、美しく切ない曲や、軽快なリズムの楽しい曲などを披露しました。ラストは、来場者も一緒に竹製の筒を打ち鳴らし、音色を響かせて楽しむ場面も!

 

 シルクロードにちなんだウイグル古曲など全13曲、たっぷり1時間以上にわたって会場を魅了。ライブ後は、「カテリーナ古楽器研究所」主宰の松本未來さんが「間近で楽器を見ていって」と呼び掛け、たくさんの方が近寄って眺めたり、写真に撮ったりと、興味津々でした! 

  

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【世界遺産 大シルクロード展】関連企画

「九響弦楽四重奏 ~シルクロードへの誘い~」

開催レポート♪

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 2月も同じく「世界遺産 大シルクロード展」の関連企画第2弾として、当財団は12日(月・休)、同美術館で「九響弦楽四重奏 ~シルクロードへの誘い~」を開催。九州交響楽団のメンバー4人が登場し、西洋のクラシック曲から東洋の楽曲まで、アンコール曲含め全7曲を披露していただきました♪

(写真左から) 1st ヴァイオリン 阿部幸奈さん、2nd ヴァイオリン 有吉幸乃さん、チェロ 白水大地さん、ヴィオラ ブライアン・ルーさん

 

会場には、立ち見客含め約320人もの来場者が!熱い期待に応えるように、九響メンバーは、弦楽の魅力を十分に聴かせてくれる弦楽四重奏曲『皇帝』(ハイドン作曲)などで観客を魅了。さらに弦を指で弾く奏法がかわいらしい『Plink, Plank, Plunk』(ルロイ・アンダーソン作曲)や、北欧のポップス曲『shine you no more』(ルネ・トンスゴー・ソレンセン作曲)のほか、大シルクロード展にちなんで、中国の伝統楽器で奏でられる『彩雲追月』(任光作曲)などを披露し、1曲ごとに盛んな拍手が送られていました。

 アンコールでは、多くの方に耳なじみのある『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』(モーツァルト作曲)を演奏。弦のみで生み出される華やかで躍動感あふれる音楽で締めくくられました!

 

 

 

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 福岡アジア美術館開館25周年特別記念イベント

ゆらめく、きらめく、影絵芝居!

インドネシア現代美術作家

  ヘリ・ドノ氏による 《ワヤン桃太郎》開催レポート♪   

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3月は福岡アジア美術館開館25周年記念特別企画として、16日(土)、インドネシア現代美術作家ヘリ・ドノさんによる影絵芝居《ワヤン桃太郎》が上演されました。

 ワヤン・クリは、インドネシアのジャワ島などで行われる、人形を使った伝統的な影絵芝居。その表現方法を取り入れながら、メッセージやユーモアを交え、現代美術作品として生まれ変わった作品の鑑賞に、なんと約200人もの方が集まってくれました!

 影がゆらめく美しい芝居に、繊細で豊かな伝統楽器の音色や、繊細で朗々と歌い上げられる歌声、躍動感ある舞が加わり、舞台は壮大で幻想的な雰囲気たっぷり。影絵はくっきりとシャープな線だけでなく、スクリーンに対してヘリ・ドノさんが人形などを前後に移動させることで、モチーフをぼかして見せたり、影を膨らませて魔物を大きく見せたりして、さまざまな見せ方が楽しめました。

  

 

 桃太郎の物語に、人の起源や人種差別の問題を見出し、ユーモアを交えながら表現したヘリ・ドノさん。魔物に対し桃太郎は、バトル戦ではなく、対話に挑みます。その説得材料に使われたのは、魔物を虜にしたマッサージチェアのほか、焼き鳥や博多うどんなどの福岡グルメ!一方で、おばあさんの「一番大きな敵は自分自身ですよ」、魔物の「お前はなぜ私がこういうことをしているのかをちゃんと知るべきだ」など、真実の広さや複数の視点を諭す言葉も心に刺さりました。

  

 また、約1時間10分ほどにわたる上演を彩っていたのが、豊かで神秘的な響きのガムランや竹を揺らして奏でるアンクルンなどの伝統楽器が生み出す心地よい音色。今回ヘリ・ドノさんは、30人以上の市民の方の協力を得ることによって、作品を新たなかたちに創り上げたのでした。

 影絵や音楽、歌、踊りなどが創り出す芝居は、さながらインドネシアの総合芸術のよう。公演後、挨拶に登場したヘリ・ドノさんには、客席から盛大な拍手が送られていました♪

 


◆会場:福岡アジア美術館7Fアートカフェ/8Fあじびホール

   (福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル)

◆主催等:(公財)福岡市文化芸術振興財団・福岡市

 共催:福岡アジア美術館